韓国のスタートアップにおける株主間契約書ガイド:共同創業者が知るべき必須条項(2026年)
韓国のスタートアップにおける株主間契約書(SHA)の核心条項、作成上の注意点、紛争解決戦略を徹底解説。持分比率、議決権、優先買受権、共同売却請求権まで。
韓国のスタートアップにおける株主間契約書:共同創業者必読ガイド
韓国でスタートアップを共同創業する際、最も重要な文書の一つが株主間契約書(SHA、주주간 계약서)です。定款(정관)と異なり、登記所への提出は不要で、株主間の非公開契約として管理されます。しかし、2人以上の株主がいる会社にとって、この契約書は事実上必須と言えます。
なぜ株主間契約書が必要か
韓国の商法(상법)は基本的な枠組みを提供しますが、共同創業者の退社、50:50構造でのデッドロック、第三者への持分売却など、現実的なシナリオには対応していません。
定款 vs 株主間契約書
| 項目 | 定款(정관) | 株主間契約書(SHA) |
|---|---|---|
| 法的性質 | 会社設立必須文書 | 株主間の私的契約 |
| 公開性 | 登記所に提出 | 非公開 |
| 拘束力 | 全株主 | 署名した株主のみ |
| 変更手続 | 株主総会特別決議 | 当事者間の合意 |
核心条項の詳細
1. 持分比率と出資義務
各株主の持分比率と出資形態(現金、技術、労務など)を明確に規定します。韓国では現物出資(현물출자)に裁判所が選任した鑑定人の評価が必要です。
2. 議決権と意思決定構造
- 普通決議: 出席株主の過半数(日常経営事項)
- 特別決議: 3分の2以上の同意(新株発行、M&A)
- 全員同意: 全株主の同意(定款変更、会社解散)
3. 優先買受権(Right of First Refusal)
株主が持分を第三者に売却する際、既存株主に同条件での優先買受機会を付与します。
4. ドラッグアロング権 & タグアロング権
| 権利 | 韓国語 | 内容 |
|---|---|---|
| ドラッグアロング | 동반매도청구권 | 大株主が売却時に少数株主にも売却を強制 |
| タグアロング | 동반매도참여권 | 大株主の売却時に少数株主も同条件で参加可能 |
5. 競業禁止と秘密保持
韓国の裁判所は通常、退社後1〜2年の競業禁止を認めています。範囲と地理的制限が合理的であることが条件です。
6. デッドロック解決
50:50の持分構造での意見対立に備えた解決手順:
- 段階的解決: 代表間協議 → 外部調停 → 仲裁
- ロシアンルーレット条項: 一方が価格を提示し、相手方が売買を選択
- テキサスシュートアウト: 双方が同時に入札し、高額入札者が買収
7. 希釈化防止条項(Anti-Dilution)
後続の資金調達ラウンドで既存株主の持分が過度に希釈化されないよう保護します。
実務ガイド
標準テンプレート
- 中小ベンチャー企業部(중소벤처기업부): スタートアップ向け標準株主間契約書の雛形を提供
- ZUZU(주주): オンライン持分管理プラットフォーム。テンプレートとキャップテーブルツールを提供
- K-Startup: 政府支援のスタートアップポータル
紛争解決:KCAB仲裁
大韓商事仲裁院(KCAB)は株主間紛争の解決に適した機関です。非公開手続きで企業秘密が保護され、判定に確定力があります。ニューヨーク条約加盟国170カ国以上で執行可能です。
機密文書の安全な共有
株主間契約書にはキャップテーブル、持分構造、事業戦略など、極めて機密性の高い情報が含まれます。LINEやメールでの共有にはセキュリティリスクがあります。
LOCK.PUBの暗号化メモ機能を利用すれば、SHA草案やキャップテーブル情報をパスワード保護されたリンクで共有できます。有効期限を設定すれば、交渉過程での情報漏洩リスクを最小化できます。
よくある質問
株主間契約書は法的効力がありますか?
はい、韓国民法上有効な私的契約です。ただし、定款と矛盾する場合は定款が優先する可能性があるため、両文書を整合させることが重要です。
弁護士なしで作成できますか?
標準テンプレートを参考にできますが、希釈化防止条項やベスティング条件など、各社の状況に応じた条項はスタートアップ専門弁護士の確認を推奨します。
まとめ
株主間契約書は「問題が起きる前に」作成すべき文書です。韓国でスタートアップの共同創業を計画している方は、早い段階でSHAを締結しましょう。
草案を共同創業者間で共有する際は、LOCK.PUBでパスワード保護と自動期限切れを設定し、安全に送信してください。
キーワード
こちらもおすすめ
韓国の雇用契約書ガイド:勤労基準法第17条から4大保険まで
韓国の勤労基準法第17条に基づく雇用契約書の必須記載事項、雇用労働部の標準書式7種、2025年最低賃金、4大保険義務加入を詳しく解説します。
韓国のフリーランス契約ガイド:3.3%源泉徴収・著作権・必須条項を解説
韓国でのフリーランス契約書の書き方 — 3.3%源泉徴収の仕組み、著作権の帰属ルール、下請法の保護、必須条項を詳しく解説します。
韓国の退職金制度を完全解説:2025年の通常賃金判決でどう変わった?
韓国で働く人が知っておくべき退職金の計算方法、2025年大法院の通常賃金判決の影響、中間精算条件を詳しく解説します。