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遺言書の書き方完全ガイド:自筆証書遺言・公正証書遺言・法務局保管制度を徹底解説
日本の遺言書の3つの形式(自筆証書・公正証書・秘密証書)、書き方のルール、よくある無効パターン、法務局保管制度まで詳しく解説します。
LOCK.PUB
•2026-03-22遺言書の書き方完全ガイド:自分で書ける自筆証書遺言から公正証書まで
「遺言書は資産家だけのもの」——そう思っていませんか?実際には、家族間のトラブルを防ぐために、資産の多寡にかかわらず遺言書を作成することが推奨されています。特に2020年7月から始まった法務局保管制度により、自筆証書遺言がより安全・確実になりました。
遺言書の3つの形式
民法(第960条〜第1027条)では、3つの遺言書形式が定められています。
| 形式 | 特徴 | 費用 | 証人 |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 全文を自書(財産目録はPC可)、日付・署名・押印 | 無料 | 不要 |
| 公正証書遺言 | 公証役場で作成、公証人が筆記 | 約3万〜10万円 | 2名必要 |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にしたまま公証手続き | 1万1千円 | 2名必要 |
自筆証書遺言の書き方
必須要件
- 全文を自書する — ワープロ・PCで作成した本文は無効(ただし2019年の法改正で財産目録はPC作成・通帳コピー等の添付が可能に)
- 日付を記載する — 「令和○年○月○日」と特定できる日付。「○月吉日」は無効
- 氏名を自書する — フルネームで自書
- 押印する — 実印が望ましいが、認印でも有効
よくある無効パターン
| 無効理由 | 具体例 |
|---|---|
| PCで本文作成 | ワープロで印刷した遺言書に署名のみ |
| 日付不特定 | 「2025年3月吉日」 |
| 押印なし | 署名のみで印がない |
| 共同遺言 | 夫婦連名の遺言書(民法975条で禁止) |
| 他人による代筆 | 本人以外が本文を筆記 |
公正証書遺言
最も確実な方法です。公証役場で公証人が遺言者の意思を聴取し、法的に有効な形で文書化します。
メリット
- 形式不備による無効リスクがない
- 原本が公証役場に保管される
- 検認(家庭裁判所での確認手続き)が不要
費用の目安
| 財産額 | 手数料 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 17,000円 |
| 1,000万〜3,000万円 | 23,000円 |
| 3,000万〜5,000万円 | 29,000円 |
| 5,000万〜1億円 | 43,000円 |
| 1億〜3億円 | 43,000円+超過分 |
法務局保管制度(2020年7月〜)
自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預けることができる制度です。2025年12月時点で累計11万件以上が利用されています。
メリット
- 検認不要 — 家庭裁判所での検認手続きが不要
- 紛失・改ざん防止 — 法務局が原本を保管
- 形式チェック — 保管時に外形的な形式を確認
- 死亡時通知制度 — 遺言者の死亡後、指定した人に通知
費用
- 保管申請:3,900円
- 閲覧(モニター):1,400円
- 閲覧(原本):1,700円
遺留分(いりゅうぶん)
遺言で全財産を特定の人に相続させると記載しても、配偶者や子供には遺留分(最低限保障される相続分)があります。
| 相続人 | 遺留分の割合 |
|---|---|
| 配偶者のみ | 相続財産の1/2 |
| 子のみ | 相続財産の1/2 |
| 配偶者+子 | 各自の法定相続分の1/2 |
| 父母のみ | 相続財産の1/3 |
| 兄弟姉妹 | 遺留分なし |
遺言書の保管場所と執行者情報の安全な管理
遺言書を作成しても、その存在や保管場所を家族に伝えなければ意味がありません。しかし、生前に内容を詳しく知られたくない場合もあるでしょう。
LOCK.PUBの暗号化メモ機能を使えば、「遺言書の保管場所」「遺言執行者の連絡先」「関連する金融機関の情報」などをパスワード付きで安全に保存し、必要なときに家族や弁護士にだけ共有できます。
例えば以下のような活用が考えられます:
- 遺言書が法務局に保管されていることと、保管番号の記録
- 遺言執行者として指定した弁護士の連絡先
- デジタル資産(暗号資産、オンライン口座等)のアクセス情報
遺言書作成のチェックリスト
- 財産の棚卸し(不動産、預貯金、有価証券、保険、デジタル資産)
- 相続人の確定(戸籍謄本で確認)
- 遺留分を考慮した配分
- 遺言執行者の指定
- 予備的遺言(相続人が先に死亡した場合の対応)
- 付言事項(家族へのメッセージ)
まとめ
遺言書は、家族の将来を守るための重要な法的文書です。自筆証書遺言なら費用をかけずに今日から作成できます。法務局保管制度を利用すれば、検認不要で安全に保管できます。
遺言書の保管場所や執行者情報は、LOCK.PUBの暗号化メモで安全に記録し、信頼できる人にパスワードを伝えておきましょう。万が一のときに、あなたの意思が確実に実現されるための備えになります。
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