Excelファイルにパスワードを設定する方法:プラットフォーム別完全ガイド
Windows、Mac、Googleスプレッドシート、LibreOfficeでExcelファイルにパスワードを設定する手順を解説。AES-256暗号化とパスワードの安全な共有方法まで。

Excelファイルにパスワードを設定する方法:プラットフォーム別完全ガイド
日本企業では、今もExcelが業務の中心です。見積書、給与台帳、顧客リスト、経費精算書、予算管理表。基幹システムとは別に、日常的な機密データがExcelファイルでやりとりされています。
その重要なファイルが、メールやLINEでパスワードなしに送られていませんか?
Microsoft ExcelはAES-256という銀行や政府機関も採用する暗号化方式を内蔵しています。しかし、この機能を活用している人は意外と少ないのが現状です。
この記事では、プラットフォーム別のパスワード設定手順と、設定したパスワードを安全に相手に伝える方法を解説します。
なぜExcelファイルにパスワードが必要なのか
スプレッドシートに含まれる情報を考えてみてください。
- 財務データ: 予算案、請求書、売上予測
- 人事記録: 給与情報、マイナンバー、人事評価
- 顧客情報: 連絡先、契約条件、価格表
- 個人情報: 確定申告、医療費、ローン関連書類
パスワードなしでメールに添付されたExcelファイルは、はがきと同じです。途中で傍受されたり、受信者のメールに不正アクセスされた場合、誰でも中身を見ることができます。
方法1: Windows版Excel(デスクトップ)
最も確実な方法です。Windows版ExcelはAES-256暗号化をサポートしており、強力なパスワードを設定すれば事実上解読は不可能です。
設定手順:
- Excelファイルを開きます
- 上部メニューのファイルをクリック
- 情報を選択
- ブックの保護をクリック
- パスワードを使用して暗号化を選択
- パスワードを入力してOKをクリック
- パスワードを再入力して確認
- ファイルを保存
これ以降、ファイルを開くにはパスワードの入力が必須になります。パスワードなしでは内容を一切閲覧できません。
強力なパスワードの例:
| 弱い | 強い |
|---|---|
| company2026 | Tr!8kQ#mP2x&vL |
| password123 | 9Fj$wKn!4Rb@eZ |
| budget | mY_Budg3t!F1le#2026 |
12文字以上で、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせて使いましょう。
方法2: Mac版Excel
Macでの設定手順はWindowsとやや異なります。
設定手順:
- Excelファイルを開きます
- 上部メニューのレビューをクリック
- ブックの保護をクリック(またはファイル > パスワードに移動)
- 開くためのパスワードにパスワードを入力
- 必要に応じて変更するためのパスワードも設定
- OKをクリックして確認
- ファイルを保存
Mac版もAES-256暗号化をサポートしているため、セキュリティレベルはWindowsと同等です。
方法3: Googleスプレッドシート(代替手段)
率直に言うと、Googleスプレッドシートはパスワード保護に対応していません。 ファイルそのものにパスワードをかける方法がありません。
代わりにできること:
- 共有を制限: 共有ボタンから特定のメールアドレスのみアクセス可能に設定
- 閲覧のみの権限: 「閲覧者」に設定して編集を制限
- ダウンロード禁止: 共有設定で「閲覧者とコメント投稿者にダウンロード、印刷、コピーを許可しない」を有効化
- リンクの有効期限: Google Workspaceの機能で時間制限付きアクセスを設定
これはアクセス制御であり、暗号化ではありません。Googleのサーバー上ではファイル内容を読み取ることが可能ですし、アクセス権を持つ人はスクリーンショットを撮れます。本当のパスワード保護が必要な場合は、.xlsx形式でダウンロードしてExcelやLibreOfficeで暗号化してください。
方法4: LibreOffice Calc
LibreOfficeは無料のオープンソースソフトウェアで、ファイル暗号化をサポートしています。
設定手順:
- LibreOffice Calcでスプレッドシートを開くか新規作成
- ファイル > 名前を付けて保存をクリック
- パスワードで保存のチェックボックスを選択
- パスワードを入力して確認
- 保存をクリック
.xlsx形式で保存するとAES-256暗号化が適用され、Microsoft Excelと完全に互換性があります。.ods形式ではデフォルトでBlowfish暗号化が使われます。
Excel Online: 知っておくべき制限
Excel Online(ブラウザ版)ではファイルの暗号化ができません。 パスワードが設定済みのファイルを開いて編集することは可能ですが、Webインターフェースからパスワードを新しく設定したり変更したりすることはできません。
暗号化を追加するには:
- ファイルをダウンロード
- デスクトップ版ExcelまたはLibreOfficeで開く
- パスワードを設定
- ファイルを再アップロード
Microsoft 365のブラウザ版のみを使っているチームにとって、これは重要な注意点です。
Excelの3つの保護タイプの違い
Excelには異なるレベルの保護があります。これらは同じものではありません。
| 保護タイプ | 機能 | セキュリティレベル |
|---|---|---|
| 読み取りパスワード | AES-256でファイル全体を暗号化 | 非常に高い |
| 書き込みパスワード | 閲覧は可能だが編集にパスワードが必要 | 低い |
| シート保護 | 特定のセルやシートの変更を制限 | 非常に低い |
重要: シート保護と書き込みパスワードは暗号化ではありません。インターネット上で簡単に入手できるツールを使えば、数秒で解除できます。データへの不正アクセスを防ぐには、必ず読み取りパスワード(パスワードを使用して暗号化)を使用してください。
見落としがちな最終ステップ: パスワードを安全に伝える方法
ファイルの暗号化は完了しました。次は同僚やクライアント、税理士にファイルを送る必要があります。ここで多くの人が致命的なミスを犯します。
やってはいけないこと:
- ファイルとパスワードを同じメールで送る
- メールの件名にパスワードを書く
- LINEでファイルを送ったのと同じトーク画面にパスワードを送る
- 共有ドキュメントにパスワードを記載する
メールが不正アクセスされれば、ファイルとパスワードが同時に漏洩します。暗号化の意味がなくなる瞬間です。
より安全な方法:
ファイルとパスワードを別々のチャネルで送りましょう。たとえば、メールでファイルを送り、パスワードは別の安全な方法で共有します。
LOCK.PUBを使えば、パスワードを記載した使い捨ての暗号化メモを作成できます。
- lock.pubにアクセスして秘密メモを作成
- Excelファイルのパスワードをメモに入力
- 有効期限を設定(例: 24時間後や1回閲覧後に自動削除)
- 生成されたLOCK.PUBリンクを相手に送信
相手がリンクを開き、アクセスコードを入力するとパスワードを確認できます。メモは自動的に期限切れとなり、痕跡が残りません。
プラットフォーム別比較表
| 機能 | Excel Windows | Excel Mac | Googleスプレッドシート | LibreOffice | Excel Online |
|---|---|---|---|---|---|
| AES-256暗号化 | ○ | ○ | × | ○(.xlsx) | × |
| 読み取りパスワード | ○ | ○ | × | ○ | × |
| 書き込みパスワード | ○ | ○ | × | ○ | × |
| シート保護 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 無料 | × | × | ○ | ○ | ○ |
まとめ
Excelファイルにパスワードを設定するのに1分もかかりません。その背後で動くAES-256暗号化は、軍事レベルのセキュリティです。しかし、どれほど強力な暗号化も、パスワードが漏洩すれば意味がありません。
ファイルを暗号化してください。強力なパスワードを使ってください。そしてそのパスワードは、LOCK.PUBのような安全な一時的チャネルで共有してください。メールの受信トレイにパスワードがいつまでも残っている状態は避けましょう。
大切なデータを作る労力と同じだけの注意を、データを守ることにも払うべきです。
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