パスキーの設定方法:Google・Apple・Microsoft対応の完全ガイド(2026年版)
パスキーの設定方法をステップごとに解説。パスワードを、フィッシングに強く、データ漏洩でも流出しない認証方式に置き換えましょう。

パスキーの設定方法:Google・Apple・Microsoft対応の完全ガイド(2026年版)
2026年1月に160億件ものパスワードが流出して以来、パスキーは「あれば便利なもの」から「欠かせないもの」になりました。パスワードと違い、パスキーはフィッシングで盗まれることも、データ漏洩で流出することもなく、何かを覚えておく必要もありません。
このガイドでは、主要なすべてのプラットフォームでのパスキー設定手順を、ステップごとに解説します。
パスキーとは?なぜ重要なのか
パスキーは、パスワードの代わりに暗号鍵のペアを使います。
- 秘密鍵:お使いのデバイス(スマートフォン、パソコン、セキュリティキー)に安全に保存されます
- 公開鍵:サービス側(Google、Appleなど)に保存されます
サインイン時、デバイスは秘密鍵そのものを一切送信せずに、秘密鍵を持っていることを証明します。つまり、次のような違いがあります。
| パスワードの問題点 | パスキーによる解決 |
|---|---|
| データ漏洩で盗まれる可能性がある | 秘密鍵がデバイスの外に出ることはない |
| フィッシングで盗まれる可能性がある | 本物のサイトに暗号技術で紐付けられている |
| 覚えておく必要がある | 生体認証(指紋・顔)でロックを解除できる |
| 複数のサイトで使い回されがち | アカウントごとに固有 |
| 推測や総当たり攻撃で破られる可能性がある | デバイスへの物理的なアクセスが必要 |
始める前に:必要な環境
デバイスの要件
Appleデバイス:
- iOS 16以降のiPhone
- iPadOS 16以降のiPad
- macOS Ventura以降のMac
- iCloudキーチェーンが有効になっていること
Androidデバイス:
- Android 9以降(Android 14以降を推奨)
- Googleパスワードマネージャー、またはサードパーティ製のパスキーマネージャー
- 画面ロックが設定されていること
Windows:
- Windows 10以降
- Windows Hello(PIN、指紋、または顔認証)が設定されていること
セキュリティキー(任意ですが推奨):
- FIDO2対応のキー(YubiKey 5、Google Titan、Feitian)
- USB-A、USB-C、またはNFCで接続
パスキーの設定:Googleアカウント
Googleはいち早くパスキーに対応した企業の一つで、現在ではパスキーを標準のサインイン方法として推奨しています。
ステップ1:パスキーの設定画面を開く
- myaccount.google.com/signinoptions/passkeys にアクセス
- 現在のパスワードでサインイン(パスワードが必要なのはこれが最後です!)
- 「パスキーを作成」をクリック
ステップ2:デバイスを選ぶ
iPhone/iPadの場合:
- SafariがiCloudキーチェーンにパスキーを保存するよう促します
- Face IDまたはTouch IDで認証します
- パスキーはお使いのすべてのAppleデバイスに同期されます
Androidの場合:
- ChromeがGoogleパスワードマネージャーに保存するよう促します
- 指紋または画面ロックで認証します
- パスキーはお使いのAndroidデバイス間で同期されます
Windowsの場合:
- Windows Helloを選択します
- PIN、指紋、または顔で認証します
- パスキーはWindowsに保存されます
セキュリティキーを使う場合:
- 「別のデバイスを使用」を選択します
- セキュリティキーを差し込み、指示が表示されたらタッチします
- パスキーは物理キーに保存されます
ステップ3:パスキーを試す
- Googleアカウントからサインアウト
- accounts.google.com にアクセス
- メールアドレスを入力
- パスワードを入力する代わりに「パスキーを使用」を選択
- 生体認証で認証
ステップ4:予備のパスキーを作成する
重要:複数のデバイスでパスキーを作成しておきましょう。
- スマートフォン(メイン)
- ハードウェアセキュリティキー(バックアップ)
- 家族のデバイス(緊急用)
パスキーを保存した唯一のデバイスをなくすと、アカウントの復旧が難しくなることがあります。
パスキーの設定:Apple ID
Appleは、iCloudキーチェーンを通じてiOSとmacOSにパスキーを深く組み込んでいます。
ステップ1:iCloudキーチェーンが有効か確認する
iPhone/iPadの場合:
- 設定 → [自分の名前] → iCloud
- 「パスワードとキーチェーン」をタップ
- 「このiPhone/iPadを同期」をオンにする
Macの場合:
- システム設定 → [自分の名前] → iCloud
- 「パスワードとキーチェーン」をクリック
- 同期をオンにする
ステップ2:Apple IDのパスキーを作成する
- appleid.apple.com にアクセス
- サインインして「サインインとセキュリティ」を開く
- 「パスキー」を選択
- 「パスキーを追加」をクリック
- Touch ID、Face ID、またはデバイスのパスコードで認証
ステップ3:Appleデバイスでパスキーを使う
パスキーに対応したアプリやウェブサイトにサインインするときは、次のように操作します。
- ユーザー名の入力欄をタップ
- 保存済みのパスキーがデバイスに候補として表示される
- 生体認証で認証
- サインイン完了 — パスワードは不要です
パスキーの設定:Microsoftアカウント
Microsoftは個人用アカウントでパスキーに対応しており、法人向けにも順次展開しています。
ステップ1:セキュリティ設定を開く
- account.microsoft.com/security にアクセス
- 現在の認証情報でサインイン
- 「高度なセキュリティオプション」をクリック
ステップ2:パスキーを追加する
- 「サインインまたは確認の方法」を探す
- 「新しいサインイン方法を追加」をクリック
- 「顔、指紋、PIN、またはセキュリティキー」を選択
Windows Helloを使う場合:
- 「Windows Helloを使用」を選択
- いつも使っているWindows Helloの方法で認証
- パスキーが作成され、デバイス内に保存される
セキュリティキーを使う場合:
- 「セキュリティキー」を選択
- FIDO2キーを差し込む
- 画面の指示に従って設定
ステップ3:パスキーでサインインする
- Microsoftのいずれかのサインインページにアクセス
- 「サインインオプション」をクリック
- 「顔、指紋、PIN、またはセキュリティキー」を選択
- 認証
パスキーの設定:その他の主要サービス
GitHub
- 設定(Settings)→ パスワードと認証(Password and authentication)を開く
- 「パスキーを追加(Add a passkey)」をクリック
- 認証方法を選ぶ
- パスキーに名前を付ける(例:「iPhone 15」「YubiKey」)
Amazon
- アカウントサービス → ログインとセキュリティ を開く
- 「パスキー」の項目を探す
- 「設定」をクリック
- デバイスで認証
PayPal
- 設定 → セキュリティ を開く
- 「パスキー」をクリック
- 「パスキーを作成」を選択
- 生体認証による確認を完了する
- 設定 → サインインとセキュリティ を開く
- 「パスキー」を選択
- 「パスキーを追加」をクリック
- 認証
ハードウェアセキュリティキー:さらに強固な保護
セキュリティを最大限に高めたいなら、パスキーを保存するデバイスの一つとしてハードウェアセキュリティキーを使いましょう。
おすすめのセキュリティキー(2026年)
| キー | 価格 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| YubiKey 5 NFC | 50ドル | ほとんどのユーザー(USB-A+NFC) |
| YubiKey 5C NFC | 55ドル | USB-C搭載デバイス |
| Google Titan | 30ドル | 予算を抑えたい人向け |
| YubiKey Bio | 90ドル | キー本体で指紋認証できる |
セキュリティキーの設定方法
- キーをUSBポートに差し込むか、NFCでかざす
- パスキーの作成時に「セキュリティキー」を選択
- キーが点滅したらタッチ
- キーに名前を付ける(例:「青のYubiKey - バックアップ」)
ベストプラクティス:キーは2本持つ
- 1本はキーホルダーに付けておく(日常用)
- 予備の1本は安全な場所に保管する(自宅の金庫、銀行の貸金庫)
- 重要なアカウントすべてに両方のキーを登録する
パスキー管理のコツ
複数のパスキーを整理する
ほとんどのサービスでは、登録済みパスキーの一覧を確認できます。見分けやすい名前を付けておきましょう。
- 「iPhone 15 Pro - メイン」
- 「MacBook Air - 仕事用」
- 「YubiKey 青 - バックアップ」
- 「妻のiPhone - 緊急用」
プラットフォームをまたいだパスキーの利用
あるプラットフォームで作成したパスキーを、別のプラットフォームで使える場合もあります。
| 作成したデバイス | 利用できる範囲 |
|---|---|
| iPhone(iCloud) | 同じApple IDでサインインしているすべてのAppleデバイス |
| Android(Google) | 同じGoogleアカウントでサインインしているすべてのAndroidデバイス |
| Windows Hello | 作成したWindowsデバイスのみ |
| セキュリティキー | USB/NFCに対応したすべてのデバイス |
どのデバイスでも持ち運んで使えることを重視するなら、セキュリティキーが最適です。
デバイスをなくしたら?
iPhoneをなくした場合:
- パスキーはiCloudキーチェーン経由で他のAppleデバイスに同期されています
- 別のAppleデバイスか、予備のセキュリティキーを使う
- 「探す」で紛失したデバイスのデータを遠隔消去する
Androidをなくした場合:
- パスキーはGoogleパスワードマネージャー経由で同期されています
- 別のAndroidデバイスかセキュリティキーを使う
- 「デバイスを探す」で遠隔消去する
セキュリティキーをなくした場合:
- 予備のキーが必要なのはまさにこのためです
- スマートフォンのパスキーでサインインし、紛失したキーの登録を削除する
パスワードからの移行
一度にすべてを切り替える必要はありません。段階的に進める方法を紹介します。
1週目:最重要アカウント
- メール(Google、Microsoft、Apple)
- パスワードマネージャー
- 銀行(対応している場合)
2週目:お金に関わるサービス
- 投資口座
- ショッピング(Amazonなど)
- 決済サービス(PayPal)
3週目:SNSと仕事
- ソーシャルメディア
- 仕事用アカウント(IT部門が許可している場合)
- 開発者ツール(GitHubなど)
4週目:その他すべて
- パスキーが使えるところでは、すべて有効にする
- パスキーに対応していないサイトでは、強力で使い回しのないパスワードを使い続ける
移行期間中にアカウントを安全に共有する
移行期間中も、家族や同僚と一部のログイン情報を共有しなければならない場面があるかもしれません。次の方法では絶対に共有しないでください。
- SMS(サーバーに保存される)
- メール(検索でき、暗号化されていないことが多い)
- チャットアプリ(クラウドにバックアップされる)
代わりに、安全で有効期限のある手段を使いましょう。LOCK.PUBのようなサービスなら、一度だけ開けるパスワード付きメモ(Pro)を作成できます。一度開かれた後は、そのリンクはもう開けません。ワンタイムシークレットのページで1通無料で試せます。
パスキーに関するよくある質問
パスキーとパスワードは併用できますか?
はい。ほとんどのサービスでは両方を残しておけます。まずパスキーが使われ、使えない場合はパスワードで代替します。
パスキーを保存したデバイスをすべてなくしたらどうなりますか?
だからこそバックアップが重要です。すべてを失った場合は、次の方法があります。
- アカウント復旧を利用する(通常はメールアドレスまたは電話番号で本人確認)
- 信頼できる連絡先による本人確認に対応しているサービスもある
- ハードウェアセキュリティキーを予備として持っておけば、こうした事態を防げる
パスキーはどこでも使えますか?
まだすべてではありませんが、普及は加速しています。2026年時点の状況は次のとおりです。
- 主要プラットフォームはすべて対応(Google、Apple、Microsoft)✓
- 主要サービスの大半が対応(Amazon、PayPal、GitHub)✓
- 多くの銀行はまだ対応を進めている途中
- 古いシステムの中には、対応に何年もかかるものもある
スマートフォンからパスキーを盗まれることはありますか?
盗むには、次の条件がそろう必要があります。
- あなたのスマートフォンへの物理的なアクセス
- ロック解除に必要なあなたの顔・指紋・PIN
- しかも、パスキーはエクスポートもコピーもできません
パスワードを盗むのに比べて、はるかに難しいのです。
まとめ
わずか1か月で160億件ものパスワードが流出した今、結論は明らかです。パスワードはもはやリスクでしかありません。パスキーには次のメリットがあります。
- フィッシングの心配なし — 暗号技術上、不可能
- 漏洩による被害なし — 漏れるものがそもそもない
- 忘れる心配なし — 生体認証にお任せ
- 使い回しなし — 仕組み上、アカウントごとに固有
今日30分だけ時間を取って、最も重要なアカウントにパスキーを設定しましょう。まずはGoogle、Apple、Microsoftから始め、そこから範囲を広げていきましょう。
これからはパスワードのいらない時代です。次の漏洩が起きる前に、切り替えを済ませておきましょう。
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