高齢者の詐欺対策 — 親をオレオレ詐欺や特殊詐欺から守る実践ガイド
特殊詐欺、オレオレ詐欺、還付金詐欺など、高齢者を狙う詐欺の最新手口と予防法を解説。家族でできる具体的な対策をご紹介します。

高齢者の詐欺対策 — 親をオレオレ詐欺や特殊詐欺から守る実践ガイド
警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺被害額は約450億円に達し、被害者の約8割が65歳以上の高齢者です。手口は年々巧妙になり、AI音声合成まで使われるようになりました。
詐欺師が高齢者を狙う理由は明確です。デジタル機器に不慣れで、貯蓄があり、一人暮らしの場合は「それ、おかしくない?」と言ってくれる人が近くにいないからです。
ご両親や祖父母がいる方のために、最も多い詐欺の手口と警告サイン、そして具体的な防止策をまとめました。
高齢者を狙う5大詐欺の手口
1. オレオレ詐欺(なりすまし詐欺)
「お母さん、俺だけど、事故を起こしちゃって…」息子や孫を名乗る電話で、事故の示談金、借金の返済などの名目で現金を要求します。最近ではAIで家族の声を合成し、本物そっくりの声で電話してくるケースも報告されています。
手口: 電話 → 現金手渡しまたは振込 平均被害額: 約200万円
2. 還付金詐欺
「市役所の○○です。医療費の還付金があります。ATMで手続きできます。」自治体や年金事務所を名乗り、ATMに誘導して送金操作をさせます。「還付金がATMで受け取れる」ことは絶対にありません。
手口: 電話 → ATM操作を指示 平均被害額: 約100万円
3. サポート詐欺(テクニカルサポート詐欺)
パソコンに「ウイルスに感染しました!」という偽の警告画面が表示され、記載された電話番号に電話させます。偽のサポート担当者がリモートアクセスを要求し、「修理費」として電子マネーやクレジットカードで支払いを求めます。
手口: 偽の警告画面 → 電話 → 遠隔操作 → 電子マネー支払い 平均被害額: 約50万円
4. 架空料金請求詐欺
「未納料金があります。本日中に支払わないと法的措置を取ります。」実在する企業やサービスを装い、身に覚えのない料金を請求します。SMSやメールでURLを送り、個人情報を入力させるフィッシングも増加しています。
手口: SMS、メール、はがき 平均被害額: 約150万円
5. 投資詐欺
「元本保証で月利5%」「このLINEグループで投資情報を共有しています。」SNSやLINEグループを通じて投資を勧誘し、最初は利益が出たように見せかけます。追加入金後に出金できなくなるか、連絡が途絶えます。
手口: LINE、SNS、偽の投資プラットフォーム 平均被害額: 約500万円以上
親が詐欺に遭っている警告サイン
| 警告サイン | 考えられる状況 |
|---|---|
| 突然の大きな出金や振込 | 詐欺師に送金している可能性 |
| 電子マネーやプリペイドカードの大量購入 | 詐欺の支払い手段として要求されている |
| 電話中に席を外す、秘密の電話 | 「誰にも言うな」と指示されている |
| パソコンを見知らぬ人が操作している | サポート詐欺 |
| 突然「投資の勉強をしている」 | 投資詐欺の可能性 |
| ATMに一人で行こうとする | 還付金詐欺の可能性 |
親を守る具体的な対策
定期的に話をする
最も大切なのは、詐欺について恥ずかしがらずに話し合うことです。多くの高齢者が被害を受けても「騙された自分が恥ずかしい」と報告しません。「プロの詐欺師は若い人でも騙す。恥ずかしいことではない」と伝えてください。
家族の合言葉を決める
家族だけが知っている合言葉を決めておきましょう。息子や孫を名乗る電話がかかってきたら、「合言葉は?」と聞けます。AI音声合成を使う詐欺師も、合言葉は知りません。
LOCK.PUBの秘密メモに家族の合言葉を記録しておけば、家族全員がいつでも確認できて、外部の人には見られません。
電話の対策
- 迷惑電話フィルター: キャリアの迷惑電話対策サービスを有効にする
- 留守番電話を活用: 知らない番号には出ず、留守電で内容を確認してから折り返す
- ナンバーディスプレイ: 発信者番号を表示させ、知らない番号には警戒する
金融機関の対策を活用
- 振込限度額の引き下げ: ATMでの1日の振込限度額を低く設定
- 振り込め詐欺救済法: 被害に遭った場合、口座凍結と返金の申請が可能
- 家族への通知: 一部の銀行では家族に取引通知を送るサービスあり
デバイスのセキュリティ
- パソコンにポップアップブロッカーを設定
- 怪しいメールやSMSのリンクは絶対にクリックしない
- OSとアプリを常に最新に更新
すでに被害に遭ってしまったら
- 絶対に責めないでください。 恥の意識が被害者を黙らせ、次の被害を防ぐ機会を失います。
- すぐに銀行に連絡。 振込後でも、すぐに連絡すれば口座凍結で被害を最小限にできる場合があります。
- 警察(#9110)に相談。 消費者ホットライン(188)も利用できます。
- パスワードをすべて変更。 サポート詐欺でリモートアクセスされた場合、すべてのパスワードが漏洩している可能性があります。新しいパスワードをLOCK.PUBに記録しておけば、家族が一緒に管理できます。
- 端末を確認。 不審なアプリがインストールされていないか確認し、必要に応じて初期化します。
予防は回復よりはるかに簡単
詐欺の手口は毎年進化しています。AI音声合成、ディープフェイク、精巧な偽サイトの登場で、年齢に関係なく誰でも騙される可能性があります。最も効果的な防衛策は技術ではなく、疑わしい状況をまず家族と相談する習慣です。
ご両親と詐欺について話してください。合言葉を決めてください。定期的に連絡を取ってください。このシンプルな習慣が、大きな金銭的・精神的被害を防ぎます。
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